脊柱管狭窄症を撃退!栄養補給・温活・筋トレの[吉松式三大療法][吉松式ストレッチ体操]

長野寿光会上山田病院/財団大西会千曲中央病院整形外科医師
吉松俊一

毛細血管の血流を改善するためには「栄養補給」「温活」「筋トレ」がおすすめ

[よしまつ・しゅんいち]

日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本体育協会公認スポーツドクターとして活躍。主に子どもの肩・ひじ関節、またスポーツ現場で見られる腰痛と遺伝の関連性などを40年以上の長期にわたって研究。さらに、日本屈指のスポーツドクターで、負傷したプロスポーツ選手が数多く治療に訪れ、復帰に貢献している。

 毛細血管の血流を改善するため、私がおすすめしているのが「栄養補給」「温活」「筋トレ(筋力トレーニング)」の3つです。人間の体は、体外から摂取した栄養を原料として、消化・吸収・代謝することによって必要なものを作り出しています。腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症と略す)と深く関わる骨や軟骨、椎間板、靭帯なども例外ではありません。私は、脊柱管狭窄症をはじめ、ロコモティブシンドロームの予防・改善に、軟骨を構成する成分であるコンドロイチンの摂取をおすすめしています。

 コンドロイチンには、血液中のコレステロールや過酸化脂質(活性酸素によって酸化した脂質)を取り除く効果があり、血流改善にも効果的です。しかし、コンドロイチンは、加齢とともに体内での生産量が減少し、40代以降はほとんど自力で作り出すことができないといわれています。コンドロイチンが不足すると、関節痛や腰痛の原因にもなるため、体外からの補給が必要になるのです。

 次に、体を温める温活に関してですが、「冷えは万病の元」といわれるように、体温が私たちの健康に大きな影響を及ぼすことは周知のとおりです。温活で私がおすすめしているのが「温圧チップ」という医療機器です。温圧チップは、貼るだけで患部周辺の血流を改善する効果が期待できるため、多くの患者さんに愛用されています。

 最後に、血流改善の要ともいえるのが、筋トレです。筋トレを習慣的に行うことで筋肉量が増えれば、基礎代謝も向上します。さらに、基礎体温も高くなって、全身の血流が改善するのです。今回ご紹介する「吉松式ストレッチ体操」(「吉松式ストレッチ体操」の写真参照)を習慣的に行うようにしてください。

 残念ながら、脊柱管狭窄症の根本的な原因を改善する運動療法はまだ確立されていません。しかし、適度な運動によって、足腰の痛みやしびれを軽減させることは十分に可能です。脊柱管は前かがみの姿勢を取ると広がって、神経の圧迫が緩和されます。前屈姿勢での水中歩行や自転車こぎ、杖や歩行補助車の使用など、工夫をしながら適度な運動を心がけ、下半身を強化するといいでしょう。

 さらにおすすめなのが、私も開発に携わった特殊なゴムバンド[吉松式ロコトレ・バンド]による筋トレです。整形外科の臨床医としての経験上、脊柱管狭窄症では、ひざから下のしびれを改善することは非常に困難といわざるをえませんでした。ところが、私が開発に携わった吉松式ロコトレ・バンドを脊柱管狭窄症のリハビリに取り入れて下肢の筋トレを実践してもらったところ、ひざから下のしびれが軽減した患者さんが何人も現れたのです。それ以来、下肢の筋力を鍛えることの重要性を痛感しています。

「脊柱管狭窄症は命を取られる病気ではない」といわれることがあります。しかし、実際に脊柱管狭窄症を患ったことがある者として、足腰の痛みやしびれは想像以上につらいものです。今回ご紹介した脊柱管狭窄症の撃退法の中で、日常生活に取り入れられるものから実践し、諦めずに根気よく治療に取り組むようにしてください。