妊娠前の発酵食品摂取頻度を約7万8千人の妊娠女性を対象に評価

富山大学

 富山大学は、早産のリスク因子を持たない女性で、妊娠前に味噌汁・ヨーグルト・納豆を食べる頻度の多い人において、妊娠34週までに産まれてしまう早期早産の発生が少なくなることを明らかにしたと、プレスリリースを発表しました。

 妊娠前の発酵食品摂取頻度を約7万8千人の妊娠女性を対象に評価し、妊娠期間の検討を行ったのは世界で初めてとのことです。

早期早産とは

 妊娠37週未満の出産を早産といいます。その中でも、妊娠34週未満の出産を早期早産といい、産まれた赤ちゃんが小さいと後遺症が残る可能性があります。

 早期早産の原因のひとつと考えられているのが細菌感染です。卵巣や胎盤には感染の影響がみられることが多く、細菌性膣炎がある方は早期早産のリスクが高いことがわかっています。また、糖尿病や免疫抑制の治療を受けている方も、早産のリスクが高いと言われています。早産には感染とそれに関する免疫が関係しています。

プロバイオティクス

 ヨーグルトや納豆はプロバイオティクスと呼ばれています。これらに含まれる乳酸菌や納豆菌が腸内細菌を変化させ、健康増進にプラスに働くことが報告されています。多数の商品が特定保健用食品に認可され、中には免疫力を高め、細菌やウイルスに対する予防効果を示しているものもあります。

 これまで、欧米の研究では、ヨーグルトの摂取が早産リスクを減らす可能性があると示してきましたが、納豆・味噌汁という日本特有の発酵食品については検討されていませんでした。

味噌汁・ヨーグルト・納豆ともに

 これまでの出産で早産であった方や、妊娠高血圧症候群、前置胎盤などの医療として人工的に早産となる可能性のある方を除いた77,667名について検討したとのことです。

 妊娠前に味噌汁をほとんど食べていなかったと答えた人と比べて、早期早産のなりやすさ(オッズ比)を調べたところ、週1~2日食べていた人では0.58、週3~4食べていた人では0.69 、週5回以上食べていた人では0.62となり、いずれも統計学的に早期早産になりにくいことがわかったとのこと。

 ヨーグルトでは週5回以上食べていた人で0.62、納豆では週3回以上食べていた人で0.60と、ほとんど食べていなかった人と比べて、統計学的に早期早産になりにくいことがわかったそうです。

 また、早産歴のある女性においては納豆を食べた回数が多い方が、早期早産のリスクが下がったようです。

 一方、妊娠34週~36週に分娩となる後期早産のなりやすさに関しては、いずれの検討においても発酵食品摂取とのあいだに関連はなかったとのことです。

今回の結果からわかったこと

 妊娠前に味噌汁やヨーグルト、納豆をとるように心がけていた女性は、早期早産のリスクが低いことが今回の結果から明らかになったとのことです。特に、味噌汁に関しては、週に1回以上食べていた方で、リスクが低くなる傾向がみられました。ただし、頻度が多くなればなるほど効果が上がるというわけでもなかったようです。ちなみに、妊娠後についてはたくさん食べても効果はみられなかったとのことです。