骨格筋のビタミンC不足が与える影響

東京都健康長寿医療センター研究所

 東京都健康長寿医療センター研究所、東邦大学、首都大学東京、順天堂大学の共同研究において、骨格筋でのビタミンC不足が、筋萎縮や身体能力の低下をもたらすことが明らかになりました。この研究成果は、骨格筋におけるビタミンCの機能解明に大きく貢献する可能性があるとのことです。

血漿ビタミンC濃度が高いと筋力や身体能力が高い

 骨格筋にはビタミンCが多く存在しています。以前行った東京都板橋区の高齢女性を対象にした調査によって、血漿ビタミンC濃度の高い方は、握力、開眼片足立ち、通常歩行速度などの筋力や身体能力が高いことがわかっています。しかし、逆に血漿ビタミンC濃度の低い方が筋力や身体能力が低下するかはわかっていませんでした。

ビタミンC不足が骨格筋にどのような影響を与えるか

 今回の研究では、体内でビタミンCを作れないビタミンC合成不全マウスを使って、血漿や骨格筋のビタミンCが減少すると骨格筋にどのような影響があるか詳細に調べたそうです。

 雌のビタミンC合成不全マウスをビタミンC投与群と非投与群に分け、腓腹筋・ヒラメ筋・足底筋・前脛骨筋・長趾伸筋などの骨格筋の筋重量などを定期的(4、8、12、16週後)に測ったとのことです。

 ビタミンC非投与群は投与群に比べて、筋重量は12週から有意に低い値を示し、16週での筋横断面積は小さくなっていたとのこと。また、全身持久力は4週、筋力は8週、自発的活動量は12週より有意に低い値を示したそうです。

 これら筋重量の低下、全身持久力、筋力、自発的活動量の低下は、ビタミンCを再投与することで回復したとのことです。

筋繊維が細くなって筋重量が減少

 研究の結果、ビタミンCが不足している期間が長くなると、筋肉を構成する筋繊維が細くなって筋重量が減少し、再びビタミンCを与えると回復することがわかりました。また、筋力や自発的活動量などで評価した身体能力においても、ビタミンC不足が長期間になると低下し、ビタミンCを与えると回復するという同様の結果になりました。

筋肉におけるビタミンCの機能解明に大きく貢献する可能性

 今回の研究からビタミンCが不足すると、骨格筋の萎縮や身体能力の低下をもたらすことがわかりました。また、ビタミンCの再投与により回復できることも明らかになりました。ビタミンCはレモン・オレンジ・グレープフルーツなどの柑橘類や柿・キウイフルーツ・トマトなどにも多く含まれており、比較的簡単に摂取できる食品成分です。今回の研究成果は、筋肉におけるビタミンCの機能解明に大きく貢献する可能性があるとのことです。