変形性股関節症の“動き・痛み”の分類別に行う!冨澤式[股関節温存療法]中等度の場合

さいたま中央フットケア整体院院長
冨澤敏夫

病院で人工関節の手術をすすめられたらどう対応すればいい?

[とみざわ・としお]

1969年生まれ。整体師を経て柔道整復師となる。20年以上の施術経験があり、足のトラブルを専門に「どこに行っても、何をしても解消しない症状」を改善させることを得意としている。全国から来院される患者数は年間2000名以上。足の痛みに関して、原因追究とその解決法を実践してきた足の痛み解消のスペシャリスト。

 私が院長を務めるさいたま中央フットケア整体院には、数週間後や数ヵ月後に人工関節の手術を控えている変形性股関節症の患者さんも来られます。患者さんの多くは「できれば人工関節の手術を避けたい」と願い、インターネットなどで検索してさまざまな情報を調べています。

 しかし、インターネット上に飛び交うさまざまな情報に左右され、結局、股関節の状態が悪化して手術に踏み切ることになってしまうようです。私がそんな方々に伝えていることは、病院は1ヵ所だけでなく数ヵ所行くことです。医師も人間ですから、当然得意・不得意があり、治療方針もさまざまです。セカンドオピニオン、サードオピニオンなど、納得できるまで医師に意見を聞くことが大切です。

 そのときに注意してほしいのは、弱いところを見せないことです。落ち着いて自分の状態を伝え、「私はこうしたい」としっかりと意見を伝えることが大切です。そうすると、医師も患者さんの意見を尊重して対応してくれると思います。

 現在は当施設のように主に保存療法を行う施術家もいるので、そういった施術家に相談してもいいでしょう。きっとあなたに最適な方法をアドバイスしてくれると思います。

『健康365』での連載が始まって以来、当施設にも問い合わせが多くなりました。その中には「セルフケアのやり方がいろいろありますが、どれをやればいいのか分かりません」という声もあります。テレビや雑誌などでも股関節によいとされる運動などが紹介されていますが、私から見ると、かえって股関節に悪影響を及ぼしてしまうのではないかと心配になるものもあります。

変形性股関節症の動きと痛みの分類法

 痛みというのは、本人にしか分からない苦痛です。ちまたの情報の中には股関節の痛みを経験していない人が指導している無理な運動法もあるため、慎重に選択して取り組むべきです。

 私が推奨する冨澤式[股関節温存療法]は、私自身に股関節を痛めた経験があり、そのさいにみずからの体を使って試しながら導き出した施術法です。冨澤式[股関節温存療法]は「マッサージ」「ストレッチ・筋トレ」「ジグリング(貧乏ゆすり様運動)」を組み合わせた施術法で効果が高く、安全・安心で股関節の状態を悪化させる心配がありません。一人でも多くの股関節の痛みで悩む方々の救いになればと思っています。

 今回は中等度の股関節症のセルフケアを指導します。中等度の股関節症は重度に比べて可動域が広いため、やることが増えます。マッサージに関しては重度の場合と同じですが、中等度の場合はストレッチ法に2つの動作が追加されます。しっかり行っていただければ、股関節の痛みから解放されることでしょう。

股関節症の分類で中等度のセルフケア法・ストレッチのやり方

マッサージのやり方

 マッサージでほぐした後はストレッチで伸ばして筋肉を柔らかくしていきます。歩行のさい、股関節と肩関節は連動して動くため、肩回りのストレッチが重要になります。

 「ストレッチのやり方」の図のストレッチⅠのように横向きになって、足首とひざ、股関節の角度がそれぞれ90度になるようにします。この体勢から肩回りを柔らかくしていくストレッチを行います。まず、腕を大きく上下させる動作(動的ストレッチ)を5回行い、腕を上げた状態(静的ストレッチ)を10秒保つようにします。

 次にストレッチⅡのように腕を横に大きく前後させる動作を5回行い、腕を開いた状態を10秒保つようにします。腕の動作に合わせて、顔も動かすといいでしょう。ひねるのではなく、軽いストレッチで筋肉を緩めるのが目的です。

 最後にストレッチⅢのようにひざを曲げて手で足先を持ち、少し後ろに引っ張ります。そのときのポイントは、おなかを突き出してかかとをお尻に着けるようにすることです。そうすると、太ももの前面が突っ張るように伸ばされます。引っ張り方は、まず足を後ろに引っ張って緩める動作を5回行い、足を後ろに引っ張った状態を10秒保つようにします。そのさい、足が浮かないよう、体と平行になるように維持してください。最後にジグリングを行うと、さらに効果的です。

ストレッチのやり方

 マッサージとストレッチを行うタイミングは、お風呂上がりがいちばん効果的です。お風呂上がりは、体が柔らかくなっていて、マッサージやストレッチがしやすいからです。湯船にゆっくりつかって体を温め、体が冷えないうちに行いましょう。よく歩いた日やよく歩く日の前日などは、お風呂上がりに入念に行うようにしてください。

 マッサージやストレッチを1日何回行えばいいかといえば、原則としてマッサージはお風呂上がりに4ヵ所を行い、3つのストレッチは3セットを1クールとして2クール、痛みが強いときは3クール繰り返すとよいでしょう。時間的に余裕がある人は、朝・昼・晩と1日3回行うことをおすすめします。1回の時間は15~20分程度(両足だと30~40分程度)です。