乳酸菌K15が免疫疾患の感染予防に重要な役割

 ヒトの腸内に常駐する乳酸菌、食物に含まれるプロバイオティクス乳酸菌は、健康維持や健康増進に効果があると知られています。安全性も高く、食品や医薬品産業からの注目も集めています。

千葉大学

乳酸菌の免疫疾患への効果

 発酵食品の応用は、さまざまな免疫疾患に効果があるものと期待されています。一方、腸、口腔、鼻腔などの粘膜で分泌されるIgAと呼ばれる抗体は、病原菌およびウイルスの排除に利用されています。インターフェロンα、インターフェロンβが、感染抵抗性に重要な役割を果たしていることも知られています。

乳酸菌K15のIgA産生増強効果

 千葉大学、キッコーマン、産総研による研究グループは、免疫機能活性化のための技術として、発酵食品を由来とする乳酸菌や食品成分の機能性に注目してきました。その結果、乳酸菌K15のIgA産生増強効果および樹状細胞へのインターフェロンα/βの産生誘導作用について実証しました。なかでもキッコーマンは、乳酸菌K15の臨床効果の実証を試しています。乳酸菌K15とは、Pediococcus acidilactici K15のことで、ぬか床から分離した乳酸菌です。従来の研究によって、感染抵抗に関わるインターフェロンβ、抗アレルギー作用に関するインターロイキン12を誘導することが明らかになっています。

プラセボ試験

 研究の内容は、3〜6歳の健康な幼稚園児を対象に、プラセボ試験を行うものでした。「対照二重盲検ランダム化比較試験」は、11月〜翌年2月のインフルエンザ流行期を含む4カ月間を設定し、乳酸菌K15またはプラセボを経口投与し実施され、体温、感冒症状、欠席日数、試験食品と乳酸菌食品摂取歴などの情報を収集しました。

乳酸菌K15の効果確認

 試験の前後で唾液を採取し、乳酸菌K15を摂取した園児について81例、プラセボを摂取した園児について81例を解析しました。その結果、唾液に含まれるIgA濃度について、乳酸菌K15を摂取した唾液がプラセボ試験による唾液より有意に高い変化量を示しました。

感染予防と抵抗力増強に乳酸菌K15

 幼児172名を対象にした比較試験は、乳酸菌K15がIgAの生産を増加することを明らかにしました。さらに、他の乳酸菌食品摂取頻度の低い(週1回以下)被験者の解析から、発熱日数の短縮も明らかとなりました。今後の感染予防および感染抵抗力の増強に、ウイルス感染症の流行下においても健康な暮らしを実現するため、乳酸菌K15の活用が期待されます。