1万人のデータから肌・まぶた・体毛などと関連の強い遺伝子領域を新たに特定

東京女子医科大学

 東京女子医科大学と株式会社エムティーアイ、株式会社スタージェンは、約1万人のデータをビッグデータ解析した結果、皮膚科に関する7つの特徴(シミのできやすさ・そばかすのできやすさ・まぶたの一重二重・眉毛の濃さ・髪質・毛深さ・汗のかきやすさ)と関連の強い遺伝子領域を新たに特定したと発表しています。

シミ・そばかす

 遺伝子情報と体質に関するwebアンケート結果より、「シミができやすい」「そばかすができやすい」と回答した人の中では、5番および10番染色体に特徴的な遺伝子型の組み合わせが存在することが明らかになりました。それぞれ「PRARGC1B」「RAB11FIP2」と呼ばれる遺伝子領域だったとのことです。

 また、「そばかすができやすい」と回答した人にのみ、9番染色体の「BNC2」、10番染色体の「HSPA12A」、17番染色体「AKAP1」および「MSI2」と呼ばれる遺伝子領域において特徴的な組み合わせがあることが判明しました。これらの遺伝子は、メラニン形成や蓄積などに関与している可能性が憶測されるとのことです。

まぶた

 アンケートにおいて、身体的特徴として「二重まぶた」を選択した人の中では10番染色体の「EMX2」と呼ばれる遺伝子領域に特徴的な組み合わせが存在することが明らかになりました。「EMX2」は骨や神経の発達、頭蓋骨顔面の形成に関わっているとの報告があることから、二重まぶたの形成に何らかの影響があると推測されるとのことです。

髪・体毛

 髪質に関して「ストレート」と「くせ毛」の間では、2番染色体の「EDAR」という遺伝子領域で異なる組み合わせが存在することが明らかになりました。

 また、「眉毛が濃い」を選んだ人と「体毛が濃い」を選んだ人には、同じ領域に特徴的な遺伝子型の組み合わせが存在することがわかりました。この遺伝子は既に「毛髪の太さ」に関連するとの報告があるとのことです。

 さらに、「体毛が毛深い」を選んだ人にのみ1番染色体の「TBX15」、2番染色体の「GCC2」および「LIMS1」、18番染色体の「BCL2」と呼ばれる遺伝子領域に特徴的な遺伝子型の組み合わせがあることがわかりました。「BCL2」は、毛包(毛根周辺の細胞)の細胞死と成長に関する遺伝子であることが以前から知られており、「TBX15」「GCC2」「LIMS1」も、毛包の成長や毛の伸長などに関与している可能性が推測されるとのことです。

汗のかき方

 アンケートにおいて、「汗をかきやすい」を選択した人に2番染色体の「PPP1CB」および「PLB1」、16番染色体の「ABCC11」と呼ばれる遺伝子領域に特徴的な組み合わせが存在することが明らかになりました。

 「PPP1CB」および「PLB1」は、体液の分泌や汗腺の機能などに関わる遺伝子であることが憶測されます。また、「ABCC11」は、耳垢のタイプ(乾型 or 湿型)や腋臭に関連する遺伝子であることが、過去の研究で報告されているとのことです。

まとめ

 今回の研究では、体質的な特徴に関係する遺伝子が多く見つかりました。「まぶたの一重二重」「眉毛の濃さ」「毛深さ」「シミ」「そばかす」は、病気とは直接関係ありませんが、多くの人が関心を持っています。

 今回の研究で得られた結果は、体質改善や肌質に合わせた化粧品選びのサポートなど一人ひとりに合った情報や、アドバイスを提供できるサービスの開発などに役立つ可能性があります。また、新たな美容技術や化粧品、皮膚科の外用薬などの開発に結びつくことも期待できるとのことです。