緑内障・黄斑変性網膜症の悪化を止める!

数万人の目を救った〝ハーバード式サプリメント〝はここが違う!開発秘話から緑内障・黄斑変性を撃退する「葉山流生活習慣」を誌上初公開

葉山生命科学研究所所長
葉山隆一

自然由来の成分であるルテインの機能性に魅せられ専門を変えて眼科臨床医の道を歩む

[はやま・りゅういち]

1975年、新潟大学医学部卒業。大学附属病院医長の後、1985年に米国留学。愛和病院副院長を経て、葉山眼科クリニックを開院。葉山生命科学研究所所長として研究活動を行う。著書に『医者がお手上げだった目の病気の次世代栄養素』(メタモル出版)など。

 私はもともと病理学を専門としていました。病理学とは、病気になった原因を探り、患者さんの体に生じている変化を研究する医学分野の一つです。大学時代は遺伝子の異常で起こる病気、特にがんの研究に没頭していました。そんな私が眼科の臨床医に転身したのは、米国・ハーバード大学に留学した経験が大きく影響しています。

 私は、30代のころにハーバード大学やマサチューセッツ工科大学に留学する機会に恵まれました。留学して最初に驚いたのは、日本の何倍も進歩していた米国の医療技術でした。当時最先端だったMRI(磁気共鳴断層撮影装置)の研究にも携わることができ、最新技術に驚きを禁じえなかったことをいまでも鮮明に覚えています。

 進歩した医療技術もさることながら、米国の徹底した実力主義にも大きな衝撃を受けました。地位や肩書きではなく実績を重視する社会の中で、私はがむしゃらに研究に打ち込みました。熱心に研究に取り組む私の姿が「真摯に努力する人間」という評価につながったのか、しだいに周囲に認められるようになっていきました。

眼科医になったのは、ハーバード大学への留学経験の影響が大きいと話す葉山医師

 私が眼科の臨床医の道を歩む大きなきっかけとなったのは「ルテイン」との出合いでした。ルテインとは、カロテノイドという栄養素の一種で、抗酸化作用を持つ黄色の天然色素です。ルテインは、目の網膜の中心部にある黄斑部にも存在する成分ですが、体内で作り出すことができないため、食事などから摂取する必要があります。ハーバード大学留学中にたまたまルテインの研究チームに参加することになった私は、ルテインに秘められた機能性に非常に興味を抱きました。

葉山医師は30年以上にわたって、患者さんの目の健康と向き合っている

 当時、日本の眼科での治療といえば、視力の低下には眼鏡、緑内障や白内障などの眼病には進行を抑制する薬を処方するのが主流でした。ところが、米国では目の栄養成分を補給して眼病を予防・改善することが重視されていたのです。

 いまではよく知られているルテインの優れた抗酸化作用は、私が参加したハーバード大学の研究グループによって世界に先駆けて確認されたものです。私は、ルテインという自然由来の成分が有する可能性に魅せられました。実際の臨床現場でルテインを活用することで、目の難病を克服することができるのではないかと考えたのです。

 さらに、眼病が特に難しい医療分野だったことも、私が目の研究に傾倒した理由の一つです。実際に体から取り出して観察することができる内臓などの器官とは異なり、目は取り出して観察する機会が極めて少ない器官です。実際に観察しにくいからこそ、豊富な知識と経験、そして理論に裏打ちされた技術が必要となるのです。困難だからこそ、かえって私の好奇心や挑戦心がくすぐられたのかもしれません。

 私が葉山眼科クリニックを開院してから、すでに30年以上の年月が流れました。これまでに数万人の患者さんを診てきましたが、私が治療で心がけているのは一人ひとりの患者さんと向き合うことです。眼病が改善して喜ぶ患者さんの笑顔を見るのは、私にとって大きなやりがいとなっています。

黄斑変性の母がルテインを試したら0.01だった視力が0.09まで改善した

加齢黄斑変性が起こるしくみ

 臨床医として日々の診療にあたる中で、目の難病に苦しむ患者さんが増えていることを肌で感じています。特に、中途失明原因の第1位である緑内障、糖尿病の3大合併症の一つである糖尿病網膜症が増えているのはゆゆしき問題です。

 さらに、私が問題視しているのが、加齢黄斑変性(以下、黄斑変性と略す)です。黄斑変性は、米国において中途失明原因の第1位に挙げられる眼病です。最近でこそ、日本でも患者数が急増していますが、私が30代だったころにはまだ非常に珍しいものでした。

 実は、私の母も左目が黄斑変性と診断され、一時は失明に近い状態でした。私は、FDA(米国食品医薬品局)によってルテインの使用が認可されるのを機に、母に試してもらおうと考えたのです。母には、マリーゴールドという植物のルテインのほか、ビルベリーという果実のアントシアニンが含まれたサプリメントを飲んでもらいました。すると、失明寸前だった母の左目の視力が、0.01以下から、0.09まで回復したのです。

男女ともに日本人の中途失明原因の第1位は緑内障。さらに、黄斑変性が急激に増えている。ともに、早期発見・早期治療で失明を防ぐことができる病気でもある
出典:日本眼科医会「視覚障害数の原因疾患別内訳(2009年)」

 母の改善例でよい感触を得た私は、緑内障や黄斑変性、白内障で悩む患者さんのご了承を得て、通常の治療と並行して、ルテインやアントシアニンが含まれたサプリメントを飲んでもらう試験を行いました。日本では、ルテインの目に対する働きが知られていなかったころのことです。その結果、多くの患者さんの視力が向上し、いきいきとした表情を見せてくれたのです。私はあらためて、目と脳の連携を強化することの重要性を感じました。

 目の病気は、脳の認知機能にも影響を与えます。人間は外界からのあらゆる刺激に対して、五感を駆使しながら脳に情報を伝えて対応しています。五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のこと。五感の中でも最も重要な働きをするのが視覚です。人間の情報の8~9割は視覚から得られているといわれています。

眼球内に入った光は角膜と水晶体で屈折し、眼底にある網膜に像を結ぶ。網膜に到達した情報は視神経を通って脳に送られる。左脳と右脳が同時に受け取った電気信号を同時に処理しながら、ものの形や色、立体感などを認識している
(※イラストの顔と眼球の大きさの比率は実際と異なります)

 瞳で量を調節されて眼球に入ってきた光は、角膜や水晶体で屈折し、硝子体を通って眼底にある網膜に像を結びます。網膜に伝わった情報は、電気信号となって視神経を通り、脳の大脳皮質(大脳半球を覆う層で思考や言語などの脳の高次機能を担う)にある「視覚野」という部分に伝えられます。左右の目から伝わる電気信号は、左右別々のルートを通って大脳に伝わり、視覚野で統合されて初めて一つの像として認識されます。ものを見るという行為は、目と脳が連携して起こっているのです。

 米国で行われた調査では、視力が良好な人はそうでない人に比べて、認知症を発症する危険性が6割も低下することが判明しています。国内の研究でも、白内障の手術を受けることが、認知機能によい影響を与えると報告されています。

 こうした国内外からの研究報告からも、目と脳が密接な関係にあることがわかります。眼科の臨床医としての私の経験からいっても、患者さんの視力が向上すると表情まで豊かになり、積極性や意欲が高まるケースが非常に多く見られます。

健康寿命を延ばすには目の栄養補給が不可欠で緑黄色野菜に多いカロテノイドが有効

 認知機能を維持して健康寿命を延ばすには、脳への刺激が欠かせません。脳を活性化するためにも、目の栄養補給を怠らないようにしましょう。

 目の栄養補給で重要なのは、カロテノイドをとることです。ルテイン以外のカロテノイドでは、目の動脈硬化(血管の老化)を防ぐ働きのあるβカロテンがおすすめです。ルテインやβカロテンは緑黄色野菜に豊富に含まれているため、ケールやホウレンソウ、芽キャベツなどを積極的にとるようにしましょう。

 目の栄養補給には、サプリメントを活用することもおすすめです。最近では、多くの目のサプリメントが市販されるようになりました。しかし、三十年以上も前から試行錯誤をくり返し、豊富なエビデンス(科学的根拠)と症例数を誇る、私の集大成ともいえるハーバード式のサプリメントは切れ味がひと味もふた味も違うといえます。ぜひ、目の健康維持のために役立ててください。

 目の栄養補給のほか、日常生活で注意すべきなのは喫煙です。タバコを吸う人は吸わない人に比べて、黄斑変性の発症の危険性が五倍高いという報告があります。また、過度な飲酒もさけましょう。多量のアルコールは、活性酸素(酸化作用の強い酸素)を大量に発生させ、全身の血管で動脈硬化を促進させます。細い血管が張りめぐらされた網膜も例外ではありません。

 目の難病のほとんどが、初期の段階での対応が重要にもかかわらず、早期発見の難しい病気です。40歳を超えたら年に一度は眼科を受診し、定期的に検査を受けるようにしましょう。