糖尿病・高血圧と睡眠障害の関連が明らかに 世界最大級の調査“ながはまコホート”

 京都大学と滋賀県長浜市は共同で、市民の健康づくりと最先端の医学研究を目的として「ながはまコホート」という事業を実施しています。一般の特定健診項目に加えて、遺伝子解析を含む血液検査や睡眠検査など、さまざまな検査が5年ごとに行われています。ながはまコホートで、糖尿病と高血圧、肥満と睡眠の関連がわかってきました。研究の成果は、2018年5月9日に国際学術誌「SLEEP」に掲載されました。

 睡眠呼吸障害の大部分を占めるのが睡眠時無呼吸です。日中に過度の眠けをもたらすほか、高血圧、糖尿病、心血管障害の発生とも関連しています。同様に、24時間社会で増加している短時間睡眠も、日中の眠けのみならず生活習慣病と関連しているといわれてきました。睡眠呼吸障害や短時間睡眠といった睡眠障害の元凶とされてきたのが肥満ですが、過去のほとんどの研究は、アンケートを用いた主観的な睡眠時間が分析に採用されており、客観的な睡眠時間に関するデータは不足していました。

 京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の松本健客員研究員と同研究科呼吸管理睡眠制御学講座の陳和夫特定教授らは、ながはまコホートにおいて、睡眠呼吸障害、客観的な短時間睡眠、肥満の相互の関連性と、それらが高血圧、糖尿病に与える関連について、性差、閉経前後もふまえて7000人以上の世界最大規模で検討しました。

 その結果、睡眠呼吸障害は、肥満ばかりでなく睡眠日誌と腕時計型の加速度計で客観的に測定した短時間睡眠と関連することがわかりました。睡眠呼吸障害は男女とも高血圧に関連しており、重症度が高くなるにつれて関連度は高くなりました。一方、糖尿病に関しては、女性においてのみ関連が確認されました。特に、閉経前女性においては、中等症以上の睡眠呼吸障害があると糖尿病が28倍と著明に多くなることがわかりました。

 肥満は男女ともに高血圧、糖尿病と関連していたものの、客観的に測定した短時間睡眠は高血圧、糖尿病いずれにも関連は認められていません。さらに、高血圧や糖尿病に対する肥満の関与は、睡眠呼吸障害により約20%間接的に媒介されており、性差が認められました。

 横断研究ではあるものの、世界最大規模の参加者で客観的な睡眠時間と睡眠呼吸障害、肥満の相互関連を調査した研究で、短時間睡眠でなく、肥満と睡眠呼吸障害が高血圧、糖尿病と関連があり、しかもその関連の度合いに性差、閉経前後で相違がみられることがわかりました。なお、睡眠時間は肥満、睡眠呼吸障害が重症化すると短くなっています。

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