緑内障・黄斑変性の患者さんに大評判!専門医 秦先生と栄養士 麻美先生考案[目のいたわりスープ]

湘南台はた眼科、代々木上原はた眼科理事長
秦 淳也

湘南台はた眼科 栄養士
池田麻美

医師の治療に加えて栄養学の視点から患者さんの目の健康を守るレシピを提供

[いけだ・あさみ](写真左)

2007年、栄養士免許取得。栄養士として病院に勤務後、2011年から湘南台はた眼科の漢方眼科栄養指導担当として勤務。薬膳コーディネーターの資格を生かしたオリジナルのレシピを考案し、患者さんの目の健康作りに役立てている。

[はた・じゅんや](写真右)

1998年、岩手医科大学医学部卒業。医学博士。東邦大学医学部附属大森病院、西横浜国際総合病院眼科医長、東邦大学医学部眼科学第一講座助手、同大学医療センター大森病院眼科病棟長を経て現職。現在、東邦大学医療センター大森病院客員講師、日本医科大学多摩永山病院非常勤講師も務める。

 私が理事長を務めるはた眼科は現在、神奈川県藤沢市と東京都渋谷区の2ヵ所で診察を行っています。私のもとには近視に悩むお子さんたちや老眼が始まった中高年、白内障や緑内障、加齢黄斑変性の進行を抑えたいという高齢者の方など、多くの患者さんが来院されています。

 はた眼科では、私を含む眼科専門医による治療のほかに、専門性を生かした栄養士が患者さんの目の健康をサポートしています。

 患者さんの大切な目を守るために医師以外のアプローチが必要と感じたのは理由があります。私は毎日、患者さんの診察で忙しいこともあり、栄養学の最新情報を蓄積しづらいのが正直なところです。医師として治療が第一と考えていることは間違いありませんが、私たちの体は食べ物によって作られています。毎日とっている食べ物が、目の健康に影響を与えないわけがありません。

 そのような背景から、はた眼科では、栄養士が考案した目の健康に役立つレシピを患者さんに提供するようになりました。栄養士の池田さんが考案しているレシピの評判はとてもよく、実践された患者さんからは「体調がよくなった」「レシピの考え方をもとに自分でもレシピを作ってみた」といった、うれしい声をいただくようになりました。

 東洋医学では、眼圧の上昇などによって視神経が障害される緑内障は体内の水の流れが悪くなる「水滞」が原因で起こると考えられています。さらに、血流の悪化による循環障害も原因の1つです。水や血のめぐりをよくするには、体を冷やす生ものや冷たい飲み物を控え、めぐりをよくする食材を毎日の食事に取り入れましょう。

 日本でも患者数が増え、現在では中途失明原因の第4位になっている加齢黄斑変性は、網膜の黄斑部が萎縮したり出血したりして視野にゆがみが出る病気です。原因は完全には明らかにされていませんが、食生活をはじめとした生活習慣の乱れによる酸化や糖化も原因の1つと考えられます。

 食生活の見直しは継続して行える内容にすることが大事です。毎日続けられる内容でないと、目の健康につながる体質の改善は期待できません。手軽に手に入れられる食材を使いながら、毎日食べても飽きない工夫が必要になります。

 毎日作る料理で使いやすい食材の1つとして、ショウガをおすすめしたいと思います。ショウガを食べると体が温まることは多くの方がご存じかと思いますが、ショウガに含まれるショウガオールという成分には、新陳代謝をよくする働きもあります。ショウガは生よりも天日干しをして作る「乾姜」を使うことで、体を芯から温める力が高まります。

 今回は緑内障と加齢黄斑変性の患者さん向けに、東洋医学にもとづく栄養学の視点から考案した、はた眼科オリジナルスープのレシピをご紹介します。

緑内障対策のスープ

乾姜(かんきょう)の作り方

乾姜入りにゅうめんスープ

東洋医学で水分代謝が悪い「水滞」タイプの体質改善にいいとされるダイコンは、緑内障の患者さんにおすすめしたい食材の1つです。

乾姜入りにゅうめんスープ

《材料(4人分)》
ダイコン…100㌘
ニンジン…50㌘
マイタケ…50㌘
乾姜…0.5㌘
そうめん…1束
だし汁…800㍉㍑
しょうゆ…小さじ2
塩…小さじ1
酒…大さじ1
ミツバ…適量


《作り方》
❶ダイコンはイチョウ切り、ニンジンは半月切りに、マイタケは食べやすい大きさに裂く
❷だし汁と①をなべに入れる。沸騰したら弱火にし、野菜が柔らかくなるまで煮る
❸しょうゆ、塩、酒で調味し、乾姜を加えてひと煮立ちしたら火を止める
❹ゆでたそうめんを器に盛り、③をかける。ミツバを散らして完成

 
 

豆腐とイカのつみれ汁

豆腐は体の余分な熱を取り、水の流れをよくします。筋肉の緊張を防ぐマグネシウムも含まれているため、房水の排出促進につながります。

豆腐とイカのつみれ汁

《材料(4人分)》
木綿豆腐…100㌘
はんぺん…110㌘
イカ(可食部)…100㌘
コマツナ…100㌘
乾姜…0.5㌘
だし汁…800㍉㍑
しょうゆ…小さじ2
塩…小さじ2
酒…大さじ1


《作り方》
❶コマツナをゆでてみじん切りにする
❷木綿豆腐の水を切っておく
❸フードプロセッサーに②とちぎったはんぺん、イカ、粉状にした乾姜を入れて、すり身状にする
❹③でできたすり身に①のコマツナを混ぜる
❺だし汁、しょうゆ、塩、酒をなべに入れて火にかける。煮立ったら④をひと口大にして落とし入れる
❻煮立ったらアクを取り、器に盛りつけて完成

 
 

加齢黄斑変性対策のスープ

東洋医学では加齢黄斑変性を血の流れが滞る「瘀血」タイプに分類しています。ホウレンソウは瘀血を改善する食材の1つ。加齢黄斑変性に有効なルテインを多く含むニンジンも積極的にとりたい食材です。

三色だんごの冬瓜中華スープ

三色だんごの冬瓜中華スープ

《材料(2人分)》
冬瓜…皮むき正味100㌘
ホウレンソウ…100㌘
ニンジン…100㌘
冷凍ブルーベリー…100㌘
白玉粉…300㌘
乾姜…0.3㌘
水…200㍉㍑
中華だし…4㌘
しょうゆ…小さじ1/2
酒…大さじ1
コショウ…少々
水溶き片栗粉…適量
ゴマ油…小さじ1/2
砂糖……10㌘
※だんごの材料は作りやすくするため量が多めになっています

《作り方》
❶水と中華だしを入れたなべで冬瓜を煮る
❷冬瓜が柔らかくなったらしょうゆ、酒、コショウ、乾姜を加えてひと煮立ちさせ、火を止める
❸粗熱を取った②をミキサーにかけ、なべに戻す。煮立ったら火を止め、片栗粉でとろみをつけ火にかける
❹煮立ったらゴマ油を入れて火を止める
❺だんごを作る。ホウレンソウをゆでてミキサーでペースト状にし、砂糖を加える。ニンジンはすりおろす。ブルーベリーもミキサーにかけて砂糖を加える
❻だんご用の食材に100㌘ずつに分けた白玉粉を混ぜ、水を足して耳たぶくらいの柔らかさにこねる
❼3種類のだんごを熱湯でゆでる。だんごが浮いたらさらに1分ゆで、水を張ったボウルに移す
❽だんごに④のスープをかけて完成

ニンジンと乾姜のスープ

ニンジンと乾姜のスープ

《材料(4人分)》
ニンジン…1本
タマネギ…中1/2個
乾姜…0.5㌘
バター…5㌘
コンソメキューブ…2個
牛乳…200㍉㍑
クコの実…適量
水…400㍉㍑

《作り方》
❶ニンジンは薄い半月切り、タマネギはスライスする
❷火にかけたなべにバターを溶かし、①を軽くいためる
❸水とコンソメキューブを②に加える。沸騰したら弱火にし、野菜が柔らかくなるまで煮込む
❹粗熱を取った③と粉状にした乾姜をミキサーにかける
❺④をなべに戻し、牛乳を加えて弱火で温める
❻器に盛ってクコの実を散らせば完成

ホウレンソウ入りワンタンスープ

ホウレンソウ入りワンタンスープ

《材料(4人分)》
(ワンタン)
豚肉…200㌘
ホウレンソウ…100㌘
ネギ…1本
乾姜…0.5㌘
しょうゆ…小さじ2
酒…小さじ2
ワンタンの皮…40枚
(スープ)
水…800㍉㍑
鶏がらスープの素…小さじ4
しょうゆ…小さじ3
酒…大さじ1
塩…少々

《作り方》
❶1分ほどゆでたホウレンソウを水で洗い、みじん切りにする
❷ネギはみじん切りに、乾姜は粉状にしておく
❸ボウルに豚肉と①②を入れ、しょうゆ、酒を加えてこねる
❹ワンタンの皮で③を包み、沸騰したお湯でゆでる
❺800㍉㍑の水を沸騰させて鶏がらスープの素としょうゆ、酒、塩を加えて味を調える
❻ワンタンにスープをかけて完成